語る、また語る

いつもにプラスα

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音楽との不思議な巡り合わせ

私は、進学で一人暮らしを始めた。

北海道の端から端以上に、
離れた場所にやってきた。
電源周波数も違った。
言葉も多少違った。

縁もゆかりもない土地での
新しい生活。
若かった私は、
不安より期待の方が大きかった。

引っ越しは母が手伝いに来てくれた。
最低限必要なものをそろえ、
後は少しずつそろえていったらいいと、
最初はテレビもなかった。

少し古いマンションの4Fの
1DKの部屋だった。

ラジオがあれば、
生活できると思っていたので、
ラジオだけはあった。
(地元から持ってきたのか
引っ越してから買ったかは忘れた)

数日母と過ごし、母は地元に帰った。

とたんに一人になった。

猛烈なさびしさはなかった。
これからここで一人で生活していく
という実感がまだ持てず、
何だかふわふわしていた。

音がないのは、やはりさびしいので、
すぐにラジオをつけた。

その土地のFM局の番組だった。
DJが何やら話して、曲紹介をした。

そこでかかった曲が「BEAUTIFUL DREAMER」だった。

 

目覚めた朝に誓いをたてろ

自分らしくあるがままに そう その為に何ができるだろう?


このサビを聴いたとき、
これからの4年間の自分のテーマソングだと
真面目に思った。
今思えばおめでたい話である。

GLAYはよく聴いていたし、
新しい土地で一人になって、
初めて聴いた曲がGLAYとは、
なんとも不思議な巡り合わせだった。

ただなんとなく期待感があるだけで、
”夢"といえる大きなものは
もっていなかったが、
曲が自分の状況にマッチし過ぎていて驚いた。

母と別れたばかりで、
さびしいはずなのに、
妙に冷静にいろいろな想いを巡らせている
自分がいた。


それから4年が過ぎ、
あの部屋で最後に聴いた曲など、
今はもう覚えていない。
しみじみ曲なんて聴いている場合では
なかったかもしれない。

それでもなぜか、
勝手に自分のテーマソングにした
あの曲だけは、
今でもしっかり覚えている。

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