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The Beths(ザ・ベス)「Expert In A Dying Field 」意訳~生にひたむきであれ~

ニュージーランド
インディーロックバンド
The Beths(ザ・ベス)の
「Expert In A Dying Field 」、意訳です。

3rdアルバム「Expert In A Dying Field」の
タイトル・トラック。

かなり自由にやりました。

Expert In A Dying Field

lyrics : Elizabeth Stokes

Can we erase our history?
Is it as easy as this?
Plausible deniabilty
I swear i've never heard of it
And I can close the door on us
But the room still exists
And I know you're in it

Hours of phrases i've memorised
Thousands of lines on the page
All of my notes in a desolate pile
I have'nt touched in an age
And I can burn the evidence
But I can't burn the pain
And I can't forget it

How does it feel?
To be an expert in dying field
How do you know it's over when you can't let go?
You can't stop, can't rewind
Love is learned over time
'Til you'er an expert in a dying field

The city is painted with memory
The water will never run clear
The birds and the bees and the floweres and trees
They knew that we've both been here
And I can flee the country for the worst of the year
But I'll come back to it

Can we erase our history?
Is it as easy as this?
Maybe in other realities
the road never took this trurst
And I can close the door on us but the room still exits

たやすく過去を
ないものにできるとでも?
冗談はやめて
そんなの聞いたことない
目を逸らすことはできたとしても
たしかにそこにあるのよ

刻まれた記憶たち
叩き込んだ無数の教え
それは虚しい残骸(いつかこの身はなくなるから)
それは掴むことのできない欠片(いつかこの身はなくなるから)
闇に葬ることはできても
心の傷は残るもの
忘れることはできないの

どうしたらいい?
深く潜るのよ
終わったことに囚われているのに
どうしてケリなんてつけられるの?
そのままでいいのよ
見つめ続けるの
わたしになるためにね

思い出に染まった街
わたしの気持ちは晴れることはないけれど
鳥と蜜蜂と花と樹は
そっとわたしを見ていてくれた
どうしようもないなら
ここから出ていったっていい
でもきっとまた戻ってくるでしょうね
いつまでも足踏みしているわたしと同じよ

人生からは決して逃げられないのよ
どんなことがあったって
あなたはあなたを生きるの

 

www.youtube.com


先日知ったThe Beths(ザ・ベス)。

katari-mata-katari.hatenablog.com


勢い余ってCD(日本流通版)も購入するも、
訳はついていなかったんですよね。

洋楽のCDは、
ほとんど買ったことがなかったけれど、
有名どころだと訳あったような。

どんなことを歌ってるのか
知りたいのもあって、意訳することに。

手探りかつ、
英語に触れるのも久方振りのため、
わたしなりにアレンジして
しまった感はある。

英詞をとっかかりに
自分で歌詞を書いた気分です。


この意訳のポイントは、
タイトルでもあり、曲中にも歌われている
「Expert In A Dying Field」を
どう捉えるかというところだろう。

ライナーノーツによると、
「やがて消えていく分野の
エキスパート」とある。
これはほぼ直訳だ。

Dyingは、瀕死の、または、
滅びかけているという意味である。

これを歌にふさわしく"やがて消えていく"と
しているのには同意する。

ただ、「やがて消えていく分野の
エキスパート」というのは、
まったくもって比喩であって、
そのままではどういうことなのか、
ほぼわからない。

もう少し言葉の裏を読んでみると、
「エキスパート」は、専門家であり、
何かを探求し続ける様子を、
「やがて消えていく分野の」というのは、
人の"生"を指していると予想。

まとめると、
いずれ死を迎えるとわかっていても、
生にひたむきであれという
メッセージじゃないかなと。

だから、サビの最初に出てくる
"To be a expert in dying field"のところは、
「深く潜るのよ」として、
何かを極めるというニュアンスを
含ませてみたが、いかがだろうか。

一方、そのあとの
"'Til you'er an expert in a dying field"は、
「わたしになるために」とした。

少々飛躍があるかもしれないが、
"You can't stop, can't rewind
Love is learned over time"を
「そのままでいいのよ
見つめ続けるの」とした流れと、
前述した込められたメッセージも考慮し、
生と向き合うこと、すなわち、
「わたしになる」と膨らませてみた。

また、かつての感傷や悔恨が
漂っていることにも注目したい。

自分の経験してきたことをも
ひっくるめての"生"という覚悟を
感じることができる。

二か所にある括弧書きは、
この曲全体を包み込んでいる
「Expert In A Dying Field」の
はかなさを強調したくて入れました。

いつかは失われてしまうけれど、
諦めとは違う前向きさを
見出せるようにまとめてみた次第です。

まだ聴き込み半ばなので、
場合によっては、手を加えるかも。