のんびりと自由に毎日を
過ごしていた一匹のさかなが、
少年が橋の上から落とした
チョコレートを食べたことで、
変わっていきます。
茶色と白のモノクロで描かれた
絵にも深みがあります。
以下は、2008年の毎日新聞三重版、
佐治晴夫さんのコラムです。
(みやざきひろかずさん、HPより)
現代人の寓話(ぐうわ)ともとれるこの話は、自己と他者の関係を考えるのに、実に深い示唆を与えてくれます。人のせいだと思っていたことが、実は原因は自分にあったという反省、あるいは、人のために、ということが、結局、自分のために……という形で戻ってきたり、一方では、自分では知らないうちに他者に影響を与えてしまっていることの怖さ、さらに想像をたくましくすれば、限りない欲望のコントロールをするためのヒントや人間関係など、昨今の環境問題を含めて、すべてを人のせいにしたがる世情への警告ともとれる内容です。
短い絵本ですが、
思索を巡らせたくなる、
エッセンスがつまっていそうですね。
ラストは、またはじめに返ったような、
でもそうではないような、
既視感があります。
輪廻転生なのか、はたまたさかな、
もしくは夢か想像だったのか、
また別のメッセージなのか。
絵本をひらいたあとに、
あるものとは。
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