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絵本『おはなをあげる』~自分にも花をあげよう~


「おはなをあげる」は、
文字のない絵本です。

父親と買いものをした帰りに、
道端で花を見つけた女の子。

ひとつ見つけると、
次から次へと、花が目に入るようになります。

片手にいっぱいになった花は、
道すがら出合っただれかへのプレゼントに。

女の子が花をあげることで、
モノクロだった風景が
しだいに色味を増していきます。

外国の街並みが素敵。

みんなに花をあげてしまったあとは、
自分の髪に花を飾ります。

花を見つけて、
自分だけで持っているだけではなく
だれかにあげる、自分にもあげるという
一連の行為の尊さがにじみ出るような
タッチの絵が美しいです。
そうありたいと思わせてくれます。


ほとんど現代的なものが登場しない
絵本のなかで目立つのが、
父親の持っているスマートフォンです。

はじめのうちは、ページのどこかで、
電話をしていたり
使っていたりするのですが、
女の子が花をあげてから、
ふっとスマートフォンが
出てこなくなるのです。

これは、単なる偶然なのか、
作家さんの意図なのか。

何かといそがしい現代人をしていると、
季節を忘れ、空を見上げることを忘れ、
ましてや道に咲く花にさえ
気づかないことがあります。

ときには現代的なものから離れて、
自然を味わいながら、
暮らしていきたいものです。