「自意識」のことを書くにあたって、
図書館の蔵書検索で「自意識」と
検索する自分は、自意識が高いと
自覚している。
ブログに書く前に、
どなたかの書かれた
自意識についての所見とか、
学問的理論とか雰囲気のようなものを
確かめておきたくなる。
ある程度、何を伝えたいかは決めてから、
本を探して読んで、ブログを書く、
という流れになることが多い。
影響力などないが、
インターネットの大海原に
文章を放る以上「下手なことは書けない」と
妙にかしこまってしまうのだ。
インターネットもよいのだが、
何か大学のレポートの延長のように、
本を読んでいる自分がいる。
そうして、キーワード「自意識」で
ヒットした本から、ECサイトに飛び、
周辺に表示されていたのが、
村田沙耶香さんのエッセイ
『きれいなシワの作り方~
淑女の思春期病』だった。
村田沙耶香さんの作品を読むのは、
「コンビニ人間」に続いて二作目だ。
タイトルに「自意識」すらないものの、
副題に「思春期病」と入っているだけある。
ちょこちょこ自意識という言葉が登場し、
自意識にがんじがらめになっている様子が
おもしろおかしく綴られている。
化粧品カウンターで定員さんを
「ヨイショ」してしまう謎のサービス精神や
iPodのプレイリストを人に
見られたくないことに少し共感し、
電車で知らないサラリーマンを膝枕した
エピソードには、いい具合に
笑わせていただいた。
せっかくなので、
わたしの自意識過剰エピソードも
便乗して書いておきたい。
わたしは週に一回くらい
図書館に行っているのだが、
図書館のスタッフの何人かの方に、
顔と名前を覚えられている自信がある。
というのも、カウンターに行って
「予約の本の受け取りお願いします」と
発するよりも先に、また、
利用者カードを提示するよりも先に、
スタッフの方が棚から
わたしの予約している本を
出してくるからである。
わたしが借りる本は、
心理や哲学系ばかりで、
タイトルも「~して生きる」とか
「~な人生」とかなので、
手続きをしてくださるスタッフの方には、
「この人大丈夫かな」と思われているに
違いないと思っている。
だからカウンターでは、
若干伏し目がちである。
また、図書館に行くときは、
だいたい同じようなラフな格好なのだが、
このまえ必要に駆られて
少しきれいめな装いで
図書館に寄ることになった。
なんというか、図書館のスタッフの方に
いつもと違う服装を見られたくないと
思ってしまった。
今日のシフトがわたしのことを
覚えていないスタッフの方で
あるよう願いつつ、
図書館に入ったところ、
本当にそうなっていて安心した
なんてこともあった。
気にしすぎだし、誰も自分の服装なんて
見てないとは思う、でも。
いろいろとやっかいな自意識であるが、
そんな自分が、嫌いではない。