過去に輝かしいことがあっても、それはあくまで過去のものであって、大事なのは"今"なのだろうけれども、過去の未完成な輝きを、私は今でもまぶしいと思う。
かつて自分がもらった言葉を今の自分に投げかけてみても、球のように跳ね返る。幾度もその言葉を繰り返してそれが雨のように降り注ごうと、見えない何かを伝い落ちていき、私がその雨に濡れることはない。
それらの言葉は今の私には不釣り合いだ。その人が憧れたのは過去の私であって、今の私ではない。
艶は月日に溶け、波打った私の顔を見て、その人は何を感じるだろう。
あの未完成な輝きが、太陽を反射してきらめいていたものならば。今の私は、暗がりでほのかに、しかし自ら光を放つ、いつまでも未完成な小さい生き物だ。