語る、また語る

いつもにプラスα

 本サイトのリンクから商品を購入すると、本サイトに収益の一部が還元されます。

2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ちまちまと将棋をする

一対一のボードゲームはことごとく小学生にかなわない自分だが、どういうわけか将棋を始めた。きっかけは、たまたま居間に転がっていた子ども向けの入門書を少し読んでみたことだった。将棋は難しい気がしていたけれど何のその、駒の動きだけなら"かんたん"…

鈍さでかばう

ひどく悲観もしなければひどく楽観もしなかったころ、その鈍さによって私は自分をかばっていた。いや、どこかで、深く入ると良くも悪くも自分がひしゃげてしまうとわかっていたのかもしれない。たとえばこれが思春期にやって来ていたら、とてもではないが私…

知らずに想像している

意外だと思うとき、ほとんどのそれは消極的なものだった。明るいはずが暗かった、甘いはずが苦かった、近いはずが遠かった。そうなると、はじめの見立てがいかに自分の想像だったのかを実感する。そういう人もいるかもしれないけれど、だれもが「意外に思わ…

存分に汲む

財布に入っているカードを、元の場所に戻さずに都度探し回る時間を換算していくとけっこうなものだ。ないなあ、ないなあといっこうに抜け出せない。ごちゃごちゃの財布からカードを出してからレジに並ぶようにしていたが、たまたま並んでから探し始めてまあ…

そよぎながら立つ

むかし聞いていた歌を聞くと、時が経ったことを感じる。いろいろなことを端によけ、自分がその音楽の一部になったつもりになる。何もないようでいて、めくるめく一日を使い果たし、今日に至ったことが思われる。どうにかこうにかやってきた自分に、これから…

描かれないものが現場にはある

暗いことばかり書いていてもあれなので、明るい風に書きたくなる。ただこれを書いている間にも凄まじいことは起こっているのである。いろいろなものを通していろいろな出来事を知るけれど、それだけでは知り得ないことがある。そこに描かれなかった、または…

音に満ちる

Jポップの何が好きかというと、旋律のわかりやすさとか"さび"の煌びやかさとかいろいろあるけれど、そのわかりやすさとか煌びやかさがかえって「ものたりない」と感じるときがある。いや、Jポップは変わらず好きなのだが、ちょっと逸れた雰囲気のものも気に…

可もなく不可もなく

あれよあれよと6月になった。午前6時、起きがけにカーテンを半分開けて台所に行こうとしたら、「ありふれた人生を探していた」とスピッツのボーカルが聞こえてきた。CDを持っていないのでタブレットをたたく。スピッツにしては珍しくストリングスが入ってい…

外をまなざす

あるニュースサイトに行くとついゴシップばかりかっさらっているため、いっそアクセス制限をかけることにした。もはや朝刊とラジオとたまにテレビ、のような古典的なスタイルになりつつある。数年、自分が遭遇したことや知りたいことだけを見たり聞いたり読…

置くか、しまうか

自分はめんどくさがりなため、使いたいものはすぐ取れるところに出しっぱなしで収納している。ただ近ごろ、何でも出しっぱなしなのもどうかと疑問を持った。出しっぱなしにしていると埃がつく。よく使うものならそんなことはないけれど、あまり使わないもの…

おそらく御免だった

「携帯電話を持ってきた人がいる。部屋長は、携帯電話を持ってきていないか確かめること。持ってきた人がいたら預かって、夕食後のミーティングのときに出すこと」林間学校二日目、午後に開かれた臨時の部屋長会で隣のクラス担任は言った。十人一部屋で、持…

"じゃんけん"を仕掛ける

セダンの後部座席に乗って国道を行く。退屈だった。何かおもしろいものはないかと、体を時計の秒針のようにくるくると、いやそれにしては不規則だが回す。スーパーマーケットにレストラン、ホームセンターと、昼なのに明るい看板のネオンは小学生には黙った…