語る、また語る

いつもにプラスα

 本サイトのリンクから商品を購入すると、本サイトに収益の一部が還元されます。

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

素顔で翻る

ない、ない、どこにもない。入れたはずの道具がない。これでは化粧ができない。内定式からの懇親会を経てたどり着いた宿泊先で私は困っていた。化粧などしても大して変わらない風貌とはいえ、化粧もせずに外に出るなんて、若い自意識が許さない。次の日に、…

言葉を交わし、芯を揺らす

八歳の小学生はたまたま会った大人に忖度などしない。いやできない、むしろ忖度など知らないかもしれない。ちょっとそれはどうなんだということを投げかけてくる。まあ論争するほどでもなかったので、そう感じるんだ、でも自分はこうなんだと話しておく。お…

後悔を指針にする

カッターシャツ、スカート、タイツにやや底の厚いブーツ。すべて黒色。マニュキュアも黒だったかもしれない。同じ小学校にはいなかったタイプの友人たち。内々でがっちりつながっている、自分が入り込めない感じ。あるときデビューしたばかりの「Janne Da Ar…

「それではまた」を潔く見送る

メールを終わらせるとき、「それではまた」に対して「それではまた」の旨を返したくなってしまうのだが、中にはこちらの「それではまた」のみにて終わることもある。自分もできれば、終わりの挨拶を返したいけれど返せないこともあるし、どちらが良いなどは…

「双方の実り」を願う

ここに文章を書いて、置いておくことは、読むかもしれない誰かへの声援のようなものでもある。たとえば目下を駆け抜けていく走者に、液晶越しに繰り広げられる勝負に、何かを発し鼓舞することがある。別の声援と一体になって、相手には聞こえないかもしれな…

沖に出ていく

船着き場から渡船に乗り、沖に停泊している鉄を組み合わせた巨大な乗りものを目指す。全長は百メートルと少し。数分して横に渡船を付ける。デッキから梯子が下りてきている。次々に人が上がっている。綱をつかみ損ねて足を滑らせれば、そこは海。梯子に足を…

口笛を吹けるようになった

年明けから海外の児童書を次々に読んでいる。世界のどこかで暮らす人たちが描いた、多様な視点と風景に触れたいのだ。図書館の本棚から何を読もうか迷っても、海外で絞り込めるので選ぶのも少し楽だ。ある絵本で、口笛を吹けるようになった子どもが口笛を吹…

何に怒るか、見定める

つまり、自分が八つ当たりをやめるということである。会社で嫌なことがあった、また繁忙であったために、身内への態度が激しくなったり冷たくなったりする。体調が良くなく、他者の些細な言動に荒ぶる。大人間での苛立ちを子どもに向ける、またはその逆。こ…

「思う」も休ませる

締切が迫っていようが、お昼近くになって不具合が発生しようが、客先からの妙な問い合わせに頭を捻っていようが、昼休憩はやって来るのである。昼休憩のときにふと懸念を感じて、それについて考え出すともう休憩どころではなくなった。同僚たちと場を合わせ…

自分に合わせる

そんなに難しく考えなくてもと言われると、意外に思っていた。自分ではまったく難しく考えているつもりはないのに、相手には難しく考えていると取られている。相手はもっと簡単に考えているのかと自分がよくないことをしているような気になった。あるいは、…

曖昧さを謳歌する

文章を書いていても感じるが、自分は「ない」を使う頻度が高い。タイトルをつけて「ない」が入っていたら、これはいけないと思って変える。とはいえ「ない」を使いたくないわけではない。これは以下のような感じである。(5) とても使いたい(4)やや使いたい◁…

同も異も見出す

自分の何もかもをわかってもらえるような友人がほしいと思っていた。どことなく気が合ったり、共通点があるとすぐに間合いを詰めて、意見がぶつかりそうになると深入りしないようにした。「異」であることは疎外される恐怖に直結していたからだ。どうりで自…

自分の目線も気になる

50メートルくらい先から相手がこちらにやってくるときは、どこを見たらよいのだろう。まず、向こうに現れた相手に気づくと会釈したり手を振ったりする。そこからが迷う。そのまま相手を見るのか、相手は視界に入れつつ焦点を外すのか、自分の周りなどまった…

癒しのための言葉をつなぐ

同じようなことを表現を変えて繰り返し書いていると、ここ一年くらいの文章を読んで思った。拝読しているブロガーの方が似たようなことを書いていて、自分は違うはず、とタカをくくっていたけれどそんなことはなかった。新しいものが書けたつもりでも、時間…