語る、また語る

いつもにプラスα

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自分の目線も気になる

50メートルくらい先から相手がこちらにやってくるときは、どこを見たらよいのだろう。

まず、向こうに現れた相手に気づくと会釈したり手を振ったりする。そこからが迷う。そのまま相手を見るのか、相手は視界に入れつつ焦点を外すのか、自分の周りなどまったく違うところを見るのか。

自分は決まって、一度相手を見たら近くの別のものをなんとなく見てしまう。相手を見続けるのは何か申し訳ない気がするし、何より照れくさいのである。

一旦目を離したあとで、相手と1メートルくらいになって今度は、挨拶などの言葉を交わす。親しい友人でも家族でも、ここまでの"間"が得意ではない。

いっそ目線を下にして相手のことを見えないようにして、相手が近づいてくるまで待っていようかとも思う。しかし動物的本能のようなものに勝てない。周りの状況を見たくなってしまう。


相手が誰かと話している声が聞こえてきて、相手がいるのはわかっているけれど、あえて気づいていないふりをすることもある。やはり物理的距離が縮まるまでの"間"の、宙ぶらりんな感じがどうにもだからだ。


自分が相手の方に近づいていく立場でも同じだ。
相手と目が合って、足取りを早めつつも、どこを見ればいいのかわからない。これが人がひしめくところなら、自分が人にぶつからないように目を配るけれど、密度のあるところに自分はあまり行かないし、そもそも地方にそこまでの人がいない。

特段気にすることでもないとは思うものの、待ち合わせでは自分の目線も気にして歩いている。