語る、また語る

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雑記

相槌で幕を引く

相手から一定調子の「そうなんですね」しか返ってこなくなったら、切り上げるか、話を変えてもよいと思う。自分がただ話を聞いてもらいたいときは別だが、引き時というものはある気がする。相手の反応が薄かったら、話す方も気力を失くすというものだ。誰か…

褒められるなんてとても

友人知人に褒められたようなとき、あまり素直に喜ぶことが少ない。照れてしまう。むかしは平気でお世辞を口にしていたので、相手もお世辞ではないのかと半疑になってもいた。今は基本的に心にも思っていないことは言わないと決めているので、そういうことは…

ゆずれないものを示す

「この日を希望しますが、無理ならばこの日でも大丈夫です」などと言ったばかりに、大丈夫ですと言った日に決まった。まあ大丈夫なのだけれど、希望しますといった日の方が都合はよかったのである。「この日を希望します」とだけ言ったならば、まあ向こうも…

小さな諍いの責任を分け合う

日常に小さな諍い(いさかい)は付きものであるが、小さな諍いであってもそれを相手のせいにしてしまうことがある。身内に対しては期待が大きくなるからか、けっこうそうなる。反対に、自分のせいであるとすべてを引き受けそうになるときもある。少し距離の…

菜の花に雪は降る

たしかあれは2月の半ば、草むらに菜の花が咲き始めたところに、わずかばかりの雪が降った。春に冬が戻ってきたような、こんなこともあるのだと意外だった。すぐに溶けてそれから散歩をすると、実を育てているきゃべつのようなブロッコリーのようなものがそこ…

自分が楽しみながら話す

話したい人と話せない、という人に天気や気温の話をするようにすすめたものの納得しきらず、じゃあ別の人に聞いてみようと話しに行き、「相手との共通点を探して話す」と助言されすっきりした顔をして帰ってきた。本人の好みかもしれないが、「その場にある…

言葉にできるときを待つ

周りでそこにいない人の悪口になったときに、いたたまれない気持ちになることがあった。同調するのも否定するのも気が引けるから、「そうなんですか」とか「えー!」とか返していたけれど、同調しなければいけない雰囲気を感じていたし、むしろ同調したこと…

率直に告げることを狙う

顔見知りのなかでいわゆるマナーが守られていない様子を目撃したとき、それを告げる人は親切なのかもしれない。この先もマナーを守らずに周りに迷惑をかけることが続くより、これを機会にきっかけを断ち切ることができたらお互い暮らしやすくなるからだ。好…

失敗は機能の一つ、と思う

結果が良いことが良いことだと思ってきた。だから失敗のないようにして、失敗すると自分を問い詰めた。失敗を避けるのは、疎外を恐れていたからだ。失敗したら怒られる、怒られたら嫌われる、嫌われたら居場所がなくなる。恐れを払拭し切ってはいないが、少…

同じ卓を囲む

金曜の仕事を終え、まだ明るいうちから同僚とお酒を飲みに行った。夏だった。掘り炬燵がいくつかある大部屋に通されてしばらくすると、三十代前半くらいの若めのサラリーマン風の人たちが一列挟んだ斜め向かいに入ってきた。お客さんは他におらず貸し切り状…

素顔で翻る

ない、ない、どこにもない。入れたはずの道具がない。これでは化粧ができない。内定式からの懇親会を経てたどり着いた宿泊先で私は困っていた。化粧などしても大して変わらない風貌とはいえ、化粧もせずに外に出るなんて、若い自意識が許さない。次の日に、…

言葉を交わし、芯を揺らす

八歳の小学生はたまたま会った大人に忖度などしない。いやできない、むしろ忖度など知らないかもしれない。ちょっとそれはどうなんだということを投げかけてくる。まあ論争するほどでもなかったので、そう感じるんだ、でも自分はこうなんだと話しておく。お…

後悔を指針にする

カッターシャツ、スカート、タイツにやや底の厚いブーツ。すべて黒色。マニュキュアも黒だったかもしれない。同じ小学校にはいなかったタイプの友人たち。内々でがっちりつながっている、自分が入り込めない感じ。あるときデビューしたばかりの「Janne Da Ar…

「それではまた」を潔く見送る

メールを終わらせるとき、「それではまた」に対して「それではまた」の旨を返したくなってしまうのだが、中にはこちらの「それではまた」のみにて終わることもある。自分もできれば、終わりの挨拶を返したいけれど返せないこともあるし、どちらが良いなどは…

「双方の実り」を願う

ここに文章を書いて、置いておくことは、読むかもしれない誰かへの声援のようなものでもある。たとえば目下を駆け抜けていく走者に、液晶越しに繰り広げられる勝負に、何かを発し鼓舞することがある。別の声援と一体になって、相手には聞こえないかもしれな…

沖に出ていく

船着き場から渡船に乗り、沖に停泊している鉄を組み合わせた巨大な乗りものを目指す。全長は百メートルと少し。数分して横に渡船を付ける。デッキから梯子が下りてきている。次々に人が上がっている。綱をつかみ損ねて足を滑らせれば、そこは海。梯子に足を…

口笛を吹けるようになった

年明けから海外の児童書を次々に読んでいる。世界のどこかで暮らす人たちが描いた、多様な視点と風景に触れたいのだ。図書館の本棚から何を読もうか迷っても、海外で絞り込めるので選ぶのも少し楽だ。ある絵本で、口笛を吹けるようになった子どもが口笛を吹…

何に怒るか、見定める

つまり、自分が八つ当たりをやめるということである。会社で嫌なことがあった、また繁忙であったために、身内への態度が激しくなったり冷たくなったりする。体調が良くなく、他者の些細な言動に荒ぶる。大人間での苛立ちを子どもに向ける、またはその逆。こ…

「思う」も休ませる

締切が迫っていようが、お昼近くになって不具合が発生しようが、客先からの妙な問い合わせに頭を捻っていようが、昼休憩はやって来るのである。昼休憩のときにふと懸念を感じて、それについて考え出すともう休憩どころではなくなった。同僚たちと場を合わせ…

自分に合わせる

そんなに難しく考えなくてもと言われると、意外に思っていた。自分ではまったく難しく考えているつもりはないのに、相手には難しく考えていると取られている。相手はもっと簡単に考えているのかと自分がよくないことをしているような気になった。あるいは、…

曖昧さを謳歌する

文章を書いていても感じるが、自分は「ない」を使う頻度が高い。タイトルをつけて「ない」が入っていたら、これはいけないと思って変える。とはいえ「ない」を使いたくないわけではない。これは以下のような感じである。(5) とても使いたい(4)やや使いたい◁…

同も異も見出す

自分の何もかもをわかってもらえるような友人がほしいと思っていた。どことなく気が合ったり、共通点があるとすぐに間合いを詰めて、意見がぶつかりそうになると深入りしないようにした。「異」であることは疎外される恐怖に直結していたからだ。どうりで自…

自分の目線も気になる

50メートルくらい先から相手がこちらにやってくるときは、どこを見たらよいのだろう。まず、向こうに現れた相手に気づくと会釈したり手を振ったりする。そこからが迷う。そのまま相手を見るのか、相手は視界に入れつつ焦点を外すのか、自分の周りなどまった…

癒しのための言葉をつなぐ

同じようなことを表現を変えて繰り返し書いていると、ここ一年くらいの文章を読んで思った。拝読しているブロガーの方が似たようなことを書いていて、自分は違うはず、とタカをくくっていたけれどそんなことはなかった。新しいものが書けたつもりでも、時間…

言うだけ言ってみる

納得できないことがあるなら相手に伝えてみると、なんだそんなことかと、案外解決することもある。ある宅配サービスのポイント会員になるには、家族情報(氏名、生年月日、職業)の登録が必要だった。サービスの向上に使われるのかもしれないけれど、抵抗が…

君たちはいつも、斜め右

内容に大きな意味はなく、お互いに広げるつもりもなく、その場をつないでいるときにまで真剣にならなくてもいいのにと自分に対して思った。自分としては触れてほしくなくて、反らしたつもりが逆に情報を与えてしまい、相手に突っ込まれる様相になった。こち…

「わかったつもり」にとどまれない

自分の思いを言語化されたような文章に出会うと、まったく同じとはいわないが借りてきてしまって、借りてきたことに気づいていなかったり、同じ言葉を使っているとき。または空間を共にしている人と「しゃべり方」や「口癖」が似てきたとき。言葉を発してい…

「ふるい」としてのテレビ

テレビが家に来たのは、たしか中学生になったころだった。今はテレビのない家があっても特段珍しいとも思わないが、時は平成の始めである。テレビがないことが「差異」と見られることもあった。狭いところにいた、と思う。小学校に行くと、昨日のテレビの話…

批判を活かすために

「こうしたい」ではなく「こうしなくては」に沿って思考してきた。「こうしなくては」には、自分ではない誰かの意思も含まれていた。誰かの意思に従っていれば批判されることはないともくろんでいた。しかし画一的な集団から出ると、単純に言うと私の白はあ…

怒りに手をつける

体感だが、自分の大部分を占めるネガティブな感情は「不安」である。次はおそらく羨望、もしくは嫉妬だ。これらはもう趣味の域なので開き直っている。むしろ好意さえ持っている。ブログに散々ネガティブを書いてきて、ネガティブ感情は自分の本音を教えてく…