2024-11-01から1ヶ月間の記事一覧
ため息が出るようなことが続いた。自分の気落ちするパターンはいくつかあるようで、その中でもよくあるパターンだ。またこのパターンかと思う。あえて言うなら「独り」だということだ。共にあっても「独り」だということだ。誰かを、何かを遠く感じるという…
自分は、友人は少なくても知人は多い方がいいと考えているようである。ともすれば八方美人だけれど、始めは単身この地にやってきたのだから、何かあったときに誰かに助けていただく気は十分にある。丸投げでもなく一人で抱え込むのでもなく、"少し"助けてい…
やられてやりかえしていたら、またやられると考えていたわけではないが、やられてもやりかえさなかった。やりかえさなかったというか、やりかえせなかったのだろう。相手にやりかえしたときの相手の気持ちを思うやさしさも、道徳に反したことはしてはいけな…
意欲のない子どもに働きかけても柳に風で、でももう一押ししたら本人から何か動きがあったりもする。自分が引っ込み思案な子どもだったこともあり、あのときもう少し"強引"だったらしぶしぶ何かしていたかもしれないと思う。でもそうならなかったのだし、"強…
トモキ君(仮名)は何やら厚紙を組み立て、小型の武器をつくっていた。私は三十人ほどが入る小学三年生の教室の右端、廊下からすぐ列の真ん中あたりに座っていた。隣はトモキ君だった。当時は男女が一組で机を連ねており、教科書を広げるときに相手の机にま…
とても気を遣われている気がしながら、そちらの家族にはあまりという感じだったので、私の方がそのあたりを補いたい気がして話を振ったりしてしまう。数人で話すときに、会話が偏っていると話していない人は話したくないのだろうか、それとも話したいのに話…
ラジオ「高橋源一郎の飛ぶ教室」でご本人が、世界各国の憲法を調べて自分で憲法をつくり七年くらいかかったと話していて、忘れられないであろう話になった。今となっては、ラジオの前で待ち構えて番組を聞くことはあまりしなくなったが、かわりに時間が空い…
つくづく自分勝手であるが、問いかけをするくらいなら放っておいてほしいという怒りがある。こちらのありさまに気を遣われると、自分がそれほど弱くなったように感じられ、かといって自分はこんなに大変だから勘弁してほしいと、弱さを盾にしようとしていた…
鶏か豚か牛か、目玉焼きに何をかけるか張りに盛り上がる。皮は剥くか剥かないか、くし切りか薄切りか乱切りか、水の量は規定量か目分量か。箱に載っているつくり方をスタンダードにして和やかにまとまり、具材は大鍋におとなしく収まって煮込まれている。そ…
過去に輝かしいことがあっても、それはあくまで過去のものであって、大事なのは"今"なのだろうけれども、過去の未完成な輝きを、私は今でもまぶしいと思う。かつて自分がもらった言葉を今の自分に投げかけてみても、球のように跳ね返る。幾度もその言葉を繰…
新幹線で隣に座った人に話しかけたことがある。たしかその人は名古屋から乗ってきて、乗務員に学生証を見せていたので、この人は同じ学生だと確信して学生ですかと聞いた。いやいや学生証をこの手に持っているのだから学生だろうと、こちらの魂胆が晒されよ…
まず聞くことは、大切にすることでもある。たとえば話を聞くことについて、誰かの話を聞くのは、話を聞くのに時間を使うことであるし、話を聞くことで言葉を引き出し、その場に並べるという価値を持たせることだからだ。話を聞かないことは、話題に上げない…
足りないから得ようとするけれど、実はもう足りていたのではないか。あまりにあるのにそれでも足りないと感じるのは、周りの価値観からの煽りなのか。足りないのではなく、あふれていたからそうなったのではないのか。何かを深堀りしたい、探りたいという気…