語る、また語る

いつもにプラスα

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野良犬

その犬はよくいた野良犬のようだった。あれよあれよと同じ小学校の友人の家に迎えられることになり、名づけられ、家が二つは入るであろう芝生の庭に住むことになった。リードを引く友人について夕方に公園を散歩した。犬の背に乗りたいと思いまたごうとしたとき、私は前足をふんでしまった。犬は甲高く鳴き、脚を引きずって帰っていった。それからいくらかもせずに、その犬は友人の家から逃げ出した。

その猫はよくいた野良猫のようだった。同じ登校班の子どもたちが食べものをやるので居付いてしまい、あるとき昼間に網戸を自分で開けて私の家に入り、何やら物色しているのを母が見つけた。それからいくらかもせずに、私の両親は10キロ入るそこそこ頑丈な紙の米袋でその猫をつかまえてから手で袋に封をして、車で"しかるべき"場所に運んだ。私はついていった。帰りに米袋は平べったかった。