語る、また語る

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2024-09-01から1ヶ月間の記事一覧

声に出すと強い

話の途中で「お互い対等というかさ」と聞こえたものだから、思わず友人を二度見した。たいとう、タイトウ、対等といくらか変換してからようやく漢字があてはまった。対等か、文章で読むことはあっても、声に出したことはない気もする。「こうしようとかこう…

ひときわ異彩である

「じゃあスプーン。"将来なりたいもの"なんだから、"もの"だからスプーンでもいいよね」からかいか、あしらいか、ごまかしか、それともあそびなのか。何も言えずにすぐに昼休みが終わるチャイムが鳴った。聡明な顔立ち、艶のある三つ編み、動じない態度と、…

常連になれたかもしれない

髪を切った後の整髪料は断る。いざスタイリングとなってからでは忘れてしまうことがあるので、入店して椅子に座り、鏡を前にしてビニールのカバー(カットクロスというらしい)を掛けられているくらいに言う。そのころにどのように髪を切るかを話すのであるが…

11歳の破局から

一方的なところ、立ち入りすぎるところ、束縛するところに困っています。だからあなたに何を言われても返さない、あるいは一言ですませるのです。あなたは悲しそうにしていました。でも、私は一人になりたかったのです。友だちはあなただけなんてそんなのお…

流しておいたらいいのに

私の思考からは、受け流すという言葉がすぐに出てこないらしい。あるいは、スルーであったり、いなす、あしらう、馬耳東風。研ぎ澄ますと流すの使い分けなんていうフレームワークがそもそもない。そしてたいてい研ぎ澄ましすぎてつかれている。受け流してい…

ここは半島

回転する球体にいることや、ここが島であることを絶えず意識しているわけではない。地図にはここは「半島」だとあった。どのあたりに住んでいるかと地図を見るときに、「半島」であるという地形を頼りにすぐに場所がわかる。そのはみ出したような「半島」の…

これでもかと休む

何も予定がない日などは嬉しくなって、やりたいことをがーっとやっていると、一日が終わらないうちに疲れる。思えば会社員などは昼休憩などが設けられており、大概いやおうなしに休めるわけである。休みたいときに休めるのは、休みたくないなら休まないとい…

「しゃくしゃく」たれ

「真面目すぎるんですよ」「そんなに適当にしなくても」。「早く決めてください」「浅はかですよ」。私と知人のおそらくの心の内である。自分を貫くことがあっても相手に気を遣って相手の苛立ちを和らげているつもりだったけれど、「そういうところ」が癪と…

あながちサンドバック

はい、はい、と人の話を聞いていた私は、深夜に、誰に自分の話をしたらいいのだろうか。相手に返したところで、相手は大人ではなく、もう寝ている時間だ。拳を受けたサンドバックの気分である。サンドバックは衝撃のためにあり、それがサンドバックの仕事だ…

「自分ではない」を探して

自分が小説を書けるわけではないが、小説などの文章においても、故意にでもそうでなくても、作者という一人の人を介して見えているものを描いているのだと感じる。書き手があることをどう見ているのかを知りたくて読む。解決がなかったり、惨憺であったりす…