語る、また語る

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2024-09-01から1ヶ月間の記事一覧

話して気づく

こちらの事情も知らないでよくも、のようなことを言いたくなるときがあるけれど、こちらが説明する機会もなかったし、相手も別に知りたくもないのだと思う。皮肉と取れないこともないが、喧嘩を真っ向に振られたわけでもないので黙っている。事情を知ってい…

ひんやりと浮かぶ

友人がスプレーの横を素通りし、あれ、と思った。強いているわけではないが、何となくできるときはスプレーに手が伸びる。それでも片手に何か持っていたりすると、特に出ていくときは忘れていて、そこに少し日常の緩みのようなものを感じる。誰かがやってい…

弱さを人に見せられるか

ある登場人物が意中の相手と近づける可能性があったのにもかかわらず、それっきりになってしまうのを恐れて約束を断っていた。相手から声がかかったということはチャンスなのだから喜んで乗ればいいのだけれど、二人で過ごして逆に自分が悪く思われないか不…

縫っても縫っても

買い足したステテコを寝巻にした。汗で生地が肌にまとわりついて気になったので、次はもう一回り大きいものにするものの、このステテコの行き場がなく、とこころどころへたっている寝巻にこのステテコをあてがったのだった。古い寝巻は切り刻んでウエスにす…

自分から閉ざすのはもったいない

自分にないものを持っているように見える人に、自分から話しかけに行っていったい何になるのだろうと思っていた。話が続かないときや相手にされていない気がするときはまだしも、わるい感じでもないとき、なんだ、別に立場とかではないのかもしれないと思っ…

「流す」をほぐす

私たちが人の話を聞くときに使うのは、少なくとも理性と感情だとふと思った。自分の場合を考えてみると、まず相手が何を言っているのかを言葉として理解するために理性を使い、それから感情が反応しているからだ。自分がどういう風に人の話を聞いているのか…

声に出すと強い

話の途中で「お互い対等というかさ」と聞こえたものだから、思わず友人を二度見した。たいとう、タイトウ、対等といくらか変換してからようやく漢字があてはまった。対等か、文章で読むことはあっても、声に出したことはない気もする。「こうしようとかこう…

ひときわ異彩である

「じゃあスプーン。"将来なりたいもの"なんだから、"もの"だからスプーンでもいいよね」からかいか、あしらいか、ごまかしか、それともあそびなのか。何も言えずにすぐに昼休みが終わるチャイムが鳴った。聡明な顔立ち、艶のある三つ編み、動じない態度と、…

常連になれたかもしれない

髪を切った後の整髪料は断る。いざスタイリングとなってからでは忘れてしまうことがあるので、入店して椅子に座り、鏡を前にしてビニールのカバー(カットクロスというらしい)を掛けられているくらいに言う。そのころにどのように髪を切るかを話すのであるが…

11歳の破局から

一方的なところ、立ち入りすぎるところ、束縛するところに困っています。だからあなたに何を言われても返さない、あるいは一言ですませるのです。あなたは悲しそうにしていました。でも、私は一人になりたかったのです。友だちはあなただけなんてそんなのお…

流しておいたらいいのに

私の思考からは、受け流すという言葉がすぐに出てこないらしい。あるいは、スルーであったり、いなす、あしらう、馬耳東風。研ぎ澄ますと流すの使い分けなんていうフレームワークがそもそもない。そしてたいてい研ぎ澄ましすぎてつかれている。受け流してい…

ここは半島

回転する球体にいることや、ここが島であることを絶えず意識しているわけではない。地図にはここは「半島」だとあった。どのあたりに住んでいるかと地図を見るときに、「半島」であるという地形を頼りにすぐに場所がわかる。そのはみ出したような「半島」の…

これでもかと休む

何も予定がない日などは嬉しくなって、やりたいことをがーっとやっていると、一日が終わらないうちに疲れる。思えば会社員などは昼休憩などが設けられており、大概いやおうなしに休めるわけである。休みたいときに休めるのは、休みたくないなら休まないとい…

「しゃくしゃく」たれ

「真面目すぎるんですよ」「そんなに適当にしなくても」。「早く決めてください」「浅はかですよ」。私と知人のおそらくの心の内である。自分を貫くことがあっても相手に気を遣って相手の苛立ちを和らげているつもりだったけれど、「そういうところ」が癪と…

あながちサンドバック

はい、はい、と人の話を聞いていた私は、深夜に、誰に自分の話をしたらいいのだろうか。相手に返したところで、相手は大人ではなく、もう寝ている時間だ。拳を受けたサンドバックの気分である。サンドバックは衝撃のためにあり、それがサンドバックの仕事だ…

「自分ではない」を探して

自分が小説を書けるわけではないが、小説などの文章においても、故意にでもそうでなくても、作者という一人の人を介して見えているものを描いているのだと感じる。書き手があることをどう見ているのかを知りたくて読む。解決がなかったり、惨憺であったりす…