語る、また語る

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出来心といえばさもありなん

小五の家庭科の小テストで不正をした。

答案ができたら教壇まで持って行き、採点してもらう方式だった。死角になったところで教科書を開いて、答えを写した。隣の友人にも見せた。


そしたら同じように間違えた。

忘れもしない、卵についている白いひも状のものを何というかという問題だった。

正解はカラザ。私たちが書いたのはカザラ。不正したのに不正解とは、困ったものだ。

授業終わりに名は伏せて注意があった。

どうやら不正があった、二人とも同じところを同じように間違えている。気をつけるようにと。担任としっかり、しっかりと目が合った。

親に知られることはなかった。学校から話もなかったようだ。


子どものすることである。ほんの出来心でと言われたとき頭が働かなかった。

自分は真面目な子どもだったが、あの不正こそほんの出来心であった。

どうしてやったのかと聞かれて子から何も出てこなかったとき、あれは出来心だったとすると、まあ、さもありなんである。