私はこれまで、どちらかというと
ボーカルが前面に出てきて、
歌詞を高らかに歌い上げるストレートな
J-POPや一部のロックを
好んでよく聴いてきた。
ブログを始めてから、
いろいろな方のブログを読む中で、
自分が今まで聴いたことのなかった
音楽に触れる機会が増えた。
自分が聴かないような
ジャンルの音楽であっても、
ちょっとした興味から
購読しているブログで紹介された音楽は
聴くことが多い。
自分の中で気になったワードとして、
「シティポップ」があった。
音楽のジャンルに疎い私としては、
シティポップ?どんな音楽のこと?
のような感じであった。
軽くインターネットで調べてもいいのだが、
そのときは本が読みたくなった。
図書館の検索で、
シティポップに引っかかった
本の一つがこちらである。
図書館で借りてもよかったのだが、
2名の方が予約待ちという状況。
貸出期間は一人2週間で、
回送を考えても私が読めるのは
1か月半後くらいだった。
そんなに待てないので、
少し考えてAmazonで注文することにした。
シティポップとは
どんな音楽なのかを知りたくて、
次の日に届いた本を
パラパラとめくっていくと、
はじめの方に次のような記載があった。
シティポップは明確な音楽ジャンルを指す言葉ではないということだ。例えば、ハードロック、プログレッシヴ・ロック、レゲエ、ボサノヴァといった音楽ジャンルは、リズムのパターンや楽器などの音色といった音楽的な理論をもとに、ある程度は定義付けられる。しかし、シティポップはジャンルというよりは、その音楽から醸し出される印象を重視している。
そうなんだ。
著者によると、シティポップは
あくまでも雰囲気であるとのこと。
また、シティポップとは何かという
問いについては、こう書かれていた。
無理やり定義付けるとするならば、シティポップは「都会的で洗練された日本のポップス」ということになるだろうか。「日本のポップス」と大きく括ってしまうと、どうしても湿っぽいフォークや歌謡曲が含まれてしまうので、あくまでもスタイリッシュな音楽ということでそこは差別化しておきたいところだ。
なんかわかりやすい説明だった。
「メロウでアーバンで
グルーヴを感じられる」音楽が、
シティポップを伝える最適な言葉ということらしい。
この本では、
1970年代後半から2020年代頭までの
シティポップの名盤100枚が紹介されている。
掲載アーティストは、
そうそうたる方々である。
驚いたのが、
小沢健二がセレクトされていることだった。
取り上げられていたのは、
1994年8月31発売のアルバム「LIFE」。
私は2010年代前半にこのアルバムを
リピートしていたが、
シティポップとして捉えたことはなかった。
「まだバブルを引きずった
躁状態の東京を彩るBGMとして、
これまでほどまでフィットした
作品はなかっただろう」とある。
たしかにそうかもと思いつつ、
著者の表現力に関心する。
その「LIFE」に入っている
いちょう並木のセレナーデは、
切ないバラードでよく聴いていた。
今は忘れてしまった たくさんの話をした
この部分が、恋人だけではなくて、
昔の友人などにもあてはまって、
しんみりするいい歌詞なのだ。
部分的にではあるけれど、
すべてのアーティストの曲を聴いてみた。
新しく知るアーティストの方が多く、
聴いていておもしろかった。
好きだなぁと思ったのが、
GOOD BYE APRILというバンド。
「missing summer」はホームページの
トップにあった曲。
ほどよいテンポでシンプルなメロディー。
そして何か80年代っぽい懐かしい感じ。
www.youtube.com
こちらは、購入した本で紹介されていた
アルバム「Xanadu」の三曲目「SAFARI」。
短いイントロから、
ちょっと言葉遊びしているみたいな
面白い歌詞。
繰り返し円を描くような
抑揚が心地よい曲である。
シティポップ、
今まであまり意識して聴いてこなかったが、
その音楽の幅は広く、
少し聴いただけでもおもしろい。
これから寄り道しながらも、
世界が広がりそうな気がしている。