語る、また語る

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塩レモン飴をもう一度

夏の建造現場というものは、
口にするのもはばかられるくらい、
本当に過酷だと思う。

数えるほどしか現場に行ったことのない
わたしのような者は、
現場の人間から言わせれば、
過酷の"かの字"もわかっていない
はずである。

技術部門にいた自分が、
勉強も兼ねてまれに現場に出ていた
10年ほど前は、今のように扇風機つきの
空調服もメジャーではなく、
空調システム稼働前の現場には、
せいぜいスポットクーラーなるものが、
あるくらいだったのではないだろうか。

しかも建造現場なので、
長袖の作業着だし、
何なら安全帯と脚絆と安全靴は、
体の重量を増やすし、
ヘルメットもいるし、
とにかく安全のために、身につけるものは
多いのであった。

装備品をまとった体も熱いし、
外も暑い。

「熱中症には気をつけろ」と、
よく注意されたものだ。

夏に数日の現場への出張ときは、
先輩から塩レモン飴を渡され、
合間合間でなめていた。

あの塩レモン飴を
また味わいたいのだけれど、
もう近くには売っていないのである。

インターネットで調べても出てこない。

もう生産終了しているのかもしれない。

記念に写真でも撮っておけばよかった。