自分はここだけの話だと
思っていたのに、
しばらくすると別の人が、
そのことを知っていることがある。
軽口の友人がいて、
学生時代に少し困っていた。
他の人には言わないでほしいと
念押ししなかったのは、自分だけど。
たぶん思い当たらないだけで、
若かりしころの自分も、
大なり小なり同じようなことを
していた気もする。
一応、口は固いで通っていたが、
思わず言ってしまうということが、
あるから恐ろしいのだ。
あれ、何を言ってるんだろうと、
思いながら、口が勝手に動くあの感覚。
その友人とは、
頻繁にそういうことがあったので、
よくもわるくも、
自分の口から一度出てしまったことは、
どこで誰が広めようと、
制御はできないというようなことを
思うようになった。
誰かに知られたくないことは、
言わないようにする。
言ったなら、
もうひとり歩きしてもいい、
くらいの心がまえでいる。
口止めしたとしても、相手による。
学生時代の知られたくないことは、
今思うとしょうもないこと
だったりするけれど、
知られたくないことには、
良く見られたいという思惑が
隠れていることが大概なので、
開き直ったら楽になれそうである。