自分の顔を見れば、
自分の調子は、だいたいわかる。
良いときは、目に意思があり、
肌も滑らかで、口角は上を向いている。
そうでないときは、目の力は弱く、
肌はくすみがちで、あらゆるパーツが
重力に従順である。
朝、身支度するときに顔を見て、
ああ、疲れてるなとか、
ああ、大丈夫そうだなとか思っている。
風邪をひいているとき、
自分の顔はいつもと違うと感じるけれど、
回復するにつれ、見慣れた顔に戻る。
むかしの写真を見ていると、
屈託なく笑っている自分が、
別人に見えることがある。
幼いころに撮った家族との写真。
笑っている私に対して、
それを見守るような控えめな
表情をしていた父と母を回想する。
歩いてきた道のりが長くなり、
屈託のなさが失われたなんて
それが何だというのか。
屈託のある顔をしながら、
戻らないときを言葉にしていこう。