触れられたくないことは触れられたくないのである。
自分が伝えたいと思って伝えるのはよいが、不意に尋ねられてなし崩しで伝わったり、噂がまるで事実のようになっていくこともある。
もう少し配慮してほしいといってもそれぞれの言い分もあるだろうから、自分としてできることは聞かれても答えたくないという意思の表示をすることくらいだ。
苦笑いでもよいし、「お答えすることはできません」とか「回答を控えます」のようなことでもいい。フランクな雰囲気であれば「秘密」とかもありだ。
相手は知りたいのだろうなと思って言ったものの、後悔している。
かといって、隠したいけれど知ってほしい気持ちもあって、そうなったのだろうけれど。
心情というものも、白か黒かではっきり分けられるものでもなく、曖昧なものなのである。