語る、また語る

いつもにプラスα

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相手と交換して広げる

衝突している二人の間に別のある人が入ると、妙に中和されることがある。また、何事もなかった二人と誰かが関わるようになると、二人の関係性が変わることもある。

還暦を迎えた夫婦の家に居候することになった若者だとか、恋人同士のどちらかのむかしの相手が戻ってきたとか、そういうのである。そして、個人的なつながりにおいては、それぞれがいい具合の位置を取り合っていくのだろうが、私たちが誰かとのつながりながら在るということを考えさせられる。

自分はもう何年も、友人たちとは一対一で会うようになっている。予定が合わせづらいこともあるが、「二人でいる」ことが快いからである。「二人でいる」ことは親密であり、特別でもあるけれど、一方で、他が入れないという閉鎖性を持つものだと感じる。

自分にも相手にも、二人でいない時間がもちろんある。そこで何かに遭遇し、迎えたり見送ったりしながら、また「二人でいる」ところに戻るというところが、自分は快いのだと思っている。二人でいないときに何をどうしてどう感じたかを、「二人でいる」時間に交換していけたなら。"誰も触れない二人だけのとき"であっても、どこまでも広がっていくであろう。