周りを歩く人たちを見て「価値観が歩いている」と思った。
おそらく同じような価値観はあれど、まったく同じ価値観はない。おのおのが持つ価値観が異なることを考えると、歩いている人たちを見てそう思うのも頷けた。
自分と同じであるということをずっと探してきたけれど、そんなものはなくて、それぞれ違う自分と相手がいるだけである。
目の前を通り過ぎたり、同じ家で暮らしたり、会うと話したりする人たちが提示する価値観の数々を、自分は見ることができるのだと思うと、何やらとても得難いものを見ている気持ちになる。もちろん好みではないものもあるけれど。
周りに歩く人たちを見て、「命が歩いている」と記した文章をむかし読んだ。
それに肖らせてもらった。