語る、また語る

いつもにプラスα

 本サイトのリンクから商品を購入すると、本サイトに収益の一部が還元されます。

何もかもに独りでぶつかるくらい若い

同僚がつらそうにしていたので、水曜日に空き地で話を聞いた。水曜日は定時退社日だった。コンビニエンスストアで飲むものを買ってきた。同僚は甘味も買っていた。

別に同僚から頼まれたわけでもないが、環境を変えようにも自分にできることはやり尽くしたと思っていたので、もうお互いの手当てをするくらいしかなかった。

何かしていないとどうにかなりそうだった。同僚のためのようで、自分のためだった。

職場のいろいろな人と話をしたけれど、誰かといるだけでもっともらしい安心があるような気がしてついに助けてほしいと言えなかった。退職するときに、相談してくれたらよかったのにと数人から言われて、そうか相談すればよかったのかと思いながら、自分の困っていることをどう言葉にしたらいいのかわからなかったし、そうか相談か、とそのときに思ったほどだった。


誰かが自分の悩みを解決してくれるのではないかと思ったりしていたし、すぐに何かが変わる魔法のようなものはないかと待ちながら、それからも無駄と言われようとくらえつかずにいられなかった。

適当に流されて危害を避けることが自分の身体のためになることもある。

そう教えたとしても、若かった自分はたぶん、何もかもに独りでぶつかって行ったことであろう。