語る、また語る

いつもにプラスα

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眠って逃避する

「大学に行くことになったんだ」と言われて、どこのと聞いたらとなりの大学とわかってこれからも会えるのだとうれしくなった。自分は15歳以上若くなっていた。

そういえば番号変わってないよねと顔を上げると、別の女子たちに連絡先を聞いていた。いかにも彼が好きそうな風貌をしていた。


顔見知りの同級生が泣きそうな表情で「みんなどこ行っちゃったの…」とこぼしていた。ほんと、みんなどこ行っちゃったんだろうね。


カーテンと床の隙間に、薄明かりが見えた。朝だった。デジタル時計に5時38分が表示されていた。

まさかと思って連絡先を探そうとしたけれど、彼の名はないのだった。15年以上むかしに消していた。


「ひとりぼっちでゆく、ひとりぼっちでゆく」と聞き覚えのある旋律が流れている。

くるりの、さて何というタイトルだったか、歌詞を検索したら「飴色の部屋」とわかった。

一日が始まる。

今日はいそがしいのだ。

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