語る、また語る

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漢方に慣れる

あなたの風邪はどこから?という
問いに答えるならば、
のどからである。

だいたい、のどが痛くなってきて、
2~3日すると鼻水が出てくると
いった感じで病状が進む。

私は鼻が弱く、
何回かこじらせて副鼻腔炎
なってしまったことがあるため、
早めに医者に行くようにしている。
薬を飲まなくても
自然に治っていたときもあったが、
最近は治りが悪い。

先日ものどの痛みが数日続いたので、
病院へ行くことにした。
たぶん次男が鼻風邪をひいていたので、
うつったと思われる。

私の行きつけ(かかりつけ)は、
近所の耳鼻咽喉科で、
もう60代後半くらいの男性の先生が
やっている病院である。

薬の方針は医師によって違うと思うが、
そこでは一般的な薬に加え、
漢方を出してくれるのが特徴だ。
院内の壁に、
東洋医学と西洋医学を合わせての
治療云々かんぬんと書いてある先生の
インタビュー記事が貼ってあったりする。

この漢方であるが、
あの独特の苦いとも甘いとも辛いとも
いえない風味が好きではなかった。

人生で初めて漢方を飲んだのは、
20代半ばのとき。
当時はその味に耐え切れず、
飲み込むこともできなかった。
そのため、
それ以降は一度も口にしていない。
医者に漢方出しますと言われても、断った。

だからその耳鼻咽喉科
漢方が出されたときも、
一瞬飲まないという選択肢が頭をよぎった。
(その先生には私が漢方が飲めないとは
前もって伝えていなかったし、
薬出しときますと言われただけだったので、
漢方が出てくるとは思っていなかった。)
でも、鼻の調子が悪くなって
長かったこともあり、物は試しに、
言われた通り飲むことにしたのだった。

はじめのうちは、
やはりうまく飲み込めず、
顔を歪めながら飲んでいた。

そんな私の様子を
わかってもらえるはずもなく、
風邪をこじらせて何度も病院を訪れる度に、
漢方は毎回処方される。

特に、子どもが保育園からもらってくる
風邪はなぜかしつこく強力なものが多く、
親の私の方が長引いていた。
いつの間にか3か月ほど漢方を
飲み続けていたときもあった。

葛根湯、桔梗湯、麦門冬湯、
柴朴湯、辛夷清肺湯など、
そのときの病状に合わせ、
いろいろな種類の漢方を飲んだ。

漢方を飲み続けてしばらくすると、
あれほど嫌だった漢方が
スムーズに飲めるようになってきた。
不思議なことだ。
慣れたのか、
年を重ねて味覚が変わったのか、
もしくはその両方なのかなと思っている。

今では、
その先生がよく出す漢方については、
「あ~これはちょっと苦いやつか」とか
「あっさりして飲みやすいやつか」など、
名前を見ただけで味の違いもわかるように
なってしまった。

すごくおいしいとは思うことはないが、
今では漢方どんとこいの私なのであった。