語る、また語る

いつもにプラスα

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自分だけは、自分のことを覚えていることができる。

子どもが生まれて職場に戻ったのも、
戻って数年後に退職したのも、
どちらも私が社内初だった。

実績がないなら
つくればいいという反骨精神。
その中には、自分が第一号になれば
格好がつくなんていう
自意識もあったのだと、
今なら見抜くことができる。

二回目の復帰までは、
実績をつくれて誇らしかったが、
まさか辞めるという実例をも
つくってしまうとは。

復帰したけど辞めた人として、
反面教師にはなれただろうか。

辞めることは決してわるいことではないが、
仕事を続けていこうとする人にとって、
わたしの末路から学べることはあると思う。

反面教師になれていようとなかろうと、
たくさんのことを教えてもらったのは、
他でもない自分だった。
いい仕事をしたものである。


復帰を考えている社内の方々から、
細々とした質問や相談を
受けたときはうれしかったが、
自分のことを聞いてほしかった
だけかもしれない。


子どもと過ごしながら
賃金を得ていたころのことを、
穏やかな心持ちでブログを書くには
まだ時間がかかりそうだし、
そもそも書くかどうかもわからないが、
なんか早送りで一日が過ぎていくような
そんな感じだった。

真の気持ちをごまかすように
どんどん自分に図太くなっていた。
自分に図太い自分はいりません。
自分に図太くなるなんてこりごりです。


去った人は忘れられていくだろう。

しかし、でも、だけど、
自分だけは、自分のことを
覚えていることができる。

たとえ何人もの人が忘れたとしても。

そう思うと捨てたもんじゃない。

たしかにあの日々はあったのだから。