語る、また語る

いつもにプラスα

 本サイトのリンクから商品を購入すると、本サイトに収益の一部が還元されます。

物からの問い

皆が一斉に何かを送ったり、
送られたりする時季である。

雰囲気にのまれて、何か準備を
しなければいけない気になる。

十二月になったから、
子どもに何がほしいか尋ねるのが
まるで流れ作業のようだし、
子どもは誕生日と十二月には
何かもらえるとわかっているから、
じゃあ次はこれをと、予定まで立てている。

周りからもらえるので
親からは何も渡していないが、
頼む側もあまり高額なものにならぬよう、
かといって質もいる、と気を遣う。
ということで、誕生日と十二月は
少しネガティブになる。

いっそ断ってしまおうか、もしくは来年は
消え物にしようかとも考える。


別に何か物をやりとりすることが、
よくないと思っているわけではない。

私のネガティブの中身は、
自分も含めて、物が手に入ることを
"あたりまえ"と思うことへの危機感なのだ。

あとは、物が増えたら片づけが手間だし、
置く場所がいるのもある。


そもそも自分は、
手に入れようとしている物は、
ほんとうに必要かと疑うところがあるから、
するすると物が来ると、腕組みを
したくなってくるのだ。

もらった物を存分に使いつつ、
今日書いたことを家族で話すとしよう。


命尽きるときに、物は持って行けない。

その物を通じて何を得て、何を失うのか、
時おり、問いが浮かぶのであった。