語る、また語る

いつもにプラスα

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のみぞ知る

他者の人間関係について個人的な相談されて、あの人がああで、この人がこうで、こうなってああなってと話を聞くのであるが、じゃあ、あの人とこの人はそれについてどういう理解をしていて、どんな感情があるのか知りたくなる。自分は片方から相談されているだけで、間に入っているわけではないので、話を聞くだけにとどまっているけれど、いったい"ほんとう"のこととは何なのだろう。

他者の話したことが嘘であるともいえないが、"ほんとう"というわけでもない。片方の話しか聞かない以上、嘘か"ほんとう"かわからないその話を元に、一応の答えを出す。その場にいなかった自分が、嘘か"ほんとう"かわからない話を聞いて下した判断にいま一つのものを感じる。

「証拠はあるんですか、証拠は」と疑われた人が言ったり、「あの人だからあんなことを。でも証拠がない」と探偵が推理していくのは、むかし親しんだ作品のいつもの展開だった。人間関係の個人的な相談に証拠を持ち出すこともないと思いつつ、何か一つでも証拠があってほしいような気がする。

"ほんとう"のことは、あってないようなもので、つまりは天のみが知っている。そういうことなのかもしれない。