語る、また語る

いつもにプラスα

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ひんやりと浮かぶ

友人がスプレーの横を素通りし、あれ、と思った。強いているわけではないが、何となくできるときはスプレーに手が伸びる。それでも片手に何か持っていたりすると、特に出ていくときは忘れていて、そこに少し日常の緩みのようなものを感じる。

誰かがやっていなくてもアルコールを手に吹きつけるとき、体の中心が少しざわつくことがある。用心深く、よく心配をする自分の姿が浮き彫りになる。

しばらくメールをしていなかった友人から、おつかれさまですや、お時間いただけると嬉しいなどの返信が来て戸惑う。二人の距離が離れたような気がしたが、それそれの自分がより確立したような気もした。学生のときに、このような言葉は二人の間では使われず、ここまで友人が誰かとやりとりしてきた私の知らない言葉を想像した。

いつの間に大人びような、乾きのあるような言葉を使うようになっていたのだろう。私の中での友人が学生のころのままで止まっていても、言葉は二人の間に流れた隔たりを突きつけてくる。