語る、また語る

いつもにプラスα

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別れるのは、今じゃない

わりとモノを躊躇なく手放せる方だが、
思い出がつまったモノは別だった。

GW前半の終わりに、子ども服を整理した。

頂きものやお下がりなど、
クローゼットに詰め込まれ、
もう新しい服を入れる余裕がない。

やろうやろうと思ってはいたが、
もう何か月も先延ばしになっていた。

いつもそうなのだが、スイッチは突然入る。
外はとてもいい天気だった。
天気がいいとやる気もわく。

1時間半ほどで一区切りついたので、
その勢いでリサイクルショップへ。
もう使わないであろう服を
まとめた紙袋は6つだった。

混んでいるかと思っていたが、
予想に反して20分ほどで査定は終了。

6袋分の子供服で1,550円。
安いのか高いのかわからなかったが、
とにかく引き取ってもらいたかったので、
その金額でお願いした。

買取りカウンターにこんもり盛られた
服の山に目をやると、
長男がよく着ていたロングTシャツが
目に入った。

Leeのもので黄色いロゴが胸にあり、
上から紫、白、紺のしま模様、
袖口と裾はグレーで別の布が縫われている
おしゃれなデザインだ。
プレゼントでもらったものだった。

何か所も破れていて、
色あせもかなりある。
もう着ないだろうから、
買取りに持ってきたのだった。

でも、改めてそのTシャツを見たとき、
急にさみしくなったのだ。

大した値段もつかないようだったし、
売り場にも出されるかわからない。

私が買取りしてもらう服を
あの順番で渡さなかったら、
服の査定が一つでもずれていたら、
あのTシャツは一番上には置かれなかっただろう。

多くの偶然が重なって、
再び私の前に現れたことに
何か因縁のようなものを感じた。

「やっぱり、
これ持って帰ってもいいですか」

とっさに店員さんに尋ねると
かまわないとのことだったので、
そうすることにした。

子ども用のTシャツ1枚、
保管しておくスペースくらいはある。

いつまでかはわからないが、
私の気が済むまで一緒にいようと思う。

こんなんで、
これから子離れできるのだろうか。

まあ、いっか。