語る、また語る

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一片

人と人、均衡が取れていないのに、取れているように思われることがある。歪んでいるように見える、他人同士の均衡を自分がどうにかできるわけではないし、しようとも思わないが、居心地はよくないし、やりにくい。そういう自分も、歪んでいる別の均衡をまた…

身辺

故障したPCが復活している。修理するのに、メーカーサイトへの会員登録やら少し手間取った。連絡なしに修理開始される金額を低く申し込んだので、予想通り電話が来た。なんと相手は機械だった。電話に出てもしばらく反応がなく、間違いかと思ったがそうでは…

自分と相手を切り離す

私事についての会話で返ってきた助言らしきものを、「受け入れなければいけない」と、構えてしまう癖がある。助言がすべてではなくて、あくまでも意見の一つだからと、付け加えられたところで気づいた。特に手探りでやっていることは、そのようになりがちで…

わかりあえない

相手とわかりあいたいのに、わかりあえない、と虚しくなっていたときがあった。ここでいうわかりあうとは、相手に完全に自分をわかってもらうことを意味する。そもそも完全にというのは難しい。そのときは意識していなかったが、私には誰にも知らせない領域…

時空

暑かったころには疎ましかった太陽も、寒くなるとありがたいものだ。できれば涼しい午前中に動いていたのに、少し厚着をして気温が高いうちに外出しようとしている、何と都合のいいことであろう。"つば"の大きい帽子と薄手の日よけの手袋はしまわれて、毛糸…

風まかせ

個人として、こうしたら楽になる、その「こうしたら」が、途方もなく多く思える。ブログに自分の「こうしたら」を書いているものの、一挙手一投足にいちいちあてはめていたら、動けなくなる。一か月前に書いたことは、忘れていたりする。できるようになって…

家事を「満足へつながるもの」と捉え直す

家事を煩わしいものと思い込んでいる。先日友人と、夕食後の食器の片づけがめちゃくちゃ面倒だと意気投合した。とはいえ、次の日の朝に流しに食器が置かれたままではげんなりするし、床に塵ほこりがあるのにも許容範囲があり、それを避けるために消極的に家…

楽しみを仕込む

楽しい予定を入れて、それに向かって何かに励む、何かを乗り切っていたこともある。親しい人に会う、行きたいところに行く、あとは酒宴とかね。徹夜もできていたころに、そうやって遊びまくっていたからか、半分抜け殻のようになって久しい。目下の楽しみの…

雲の見え方

ある人は青空を見て、秋の雲が浮かんでいると言う。ある人は青空を見て、今日は晴れているから雲の色が白いと言う。曇りのときは白と灰色で、雨が降るときは灰色が濃くなると教えてくれる。ある人は青空を見て、雲には目もくれず、太陽がこんなに低くなって…

「自分だけではない」を探して

SNSは稼働していないので、自分がインターネットで目にする個人の文章は、主にブログである。特にネガティブな部分があるものとか、直接触れていなくても、ネガティブな感情を発端にしていそうなものは、「ああ、そうそう」とか思いながら、読ませていただい…

苛立ちも関係の糧にする

家族だから、友人だから、知人だから、仲間だから、つながりがあるから、その人たちに苛立ってはいけないなんてことはないようだ。苛立ちをどうするかの前に、苛立つという感情は、自分に生じた、あるいは生じさせたもので、悪いものではないと自分に念押し…

邪道かもしれない

後悔していることがあって、あのときもっとこうしていたらとやりきれない気持ちになることがある。しかし、一長一短という言葉は本当にその通りで、選んだ方にも選ばなかった方にも、どちらにも長所と短所があるものだ。もし長所しかなかったのなら、仮にそ…

平気

具合を尋ねたら、「平気だよ」と返事をされた。その自信はどこからくるのか。若さゆえのものか。無知なだけか。気の持ちようとはこういうことなんだろう。自分が子どもだったときの前向きさが遠くに見える。ところで、自分は平気と言わずに「大丈夫」と答え…

残響

広島、長崎、沖縄。外に出ても胸がつかえて、足がすくんで、ふらふらとまっすぐ歩けない感じがした。資料館のある公園が整備されていることに救われた。特に沖縄。湿度が高くて、息がしにくかった。高校の修学旅行でのバス移動、もろもろを立て続けに見たか…

後行

表題は後から付ける。始めに仮で打っておくが、書いてると早々に遠ざかって、また探し直すことになる。熟語とか日本語独自の言い回しを使うことが増えた。ただ漢字と平仮名と片仮名を並べただけなのに、日本語は凛としてうつくしい。どうしてそんな言葉をつ…

9月のアウシュヴィッツは快晴だった。自分で行くと決めたはずだが、早く立ち去りたくてたまらなかった。なのに隅から隅まで見て周った。とても広く思えて、鳥のさえずりだけ小さく響いていたように感じた。駅から向かうタクシーで、こんなに小さいのに大人数…

てんでんばらばら

手を離したのは、つながりを絶ったのは自分なのに、むかしの知り合いに今更会いたくなる。どうしてこれからも、見つめた先に彼女たちがいるものだと、疑わなかったのだろう。一時的に会わなくても、どうしてどこかで会えると思ったのだろう。自分にとって必…

スピッツ アルバム「三日月ロック」~欠けながらも光る~

スピッツのアルバム「三日月ロック」収録曲の歌詞への感想。

先達

「日本にいたら、同じのがあたりまえで人との違いが気になっちゃうけど、外国にいると違うのがあたりまえ。ちょっとやそっとの違いなんて気にしてたらやっていけないし、気にならなくなるよ」二十代そこそこの私に発せられた、印象的な言葉。人との違いに納…

境界

午後五時過ぎ、タイムカードを打刻し、三階から事務所の階段を下りる。工場を横目に敷地内の駐車場へ急ぐ。車のドアロックを解除する。運転席のドアを開ける。鞄を助手席に放る。運転席に座ってドアを閉める。ふうと溜息をつく。ドア一つで、外と中が隔たる…

帰結

あえて自らにストレスをかけて、それに挑む自分が誇りだった。そんなに躍起になっていたのは、何者かになろうとしていたからだった。もう身に余るストレスは必要ない。無駄にはならない、何だって経験にはなると、芯から熱くなることが減った。冷めたのか、…

気分を晴らす

小学校で学級閉鎖、もれなく持ち帰ってきて、私も布団に突っ伏してしばらくしたら、怒れるようになってきて、ああ、治ってきたのだ、と思った。床に臥せっていると、怒ることすらできないのだ。さて、私はいろいろな気分を晴らすためにブログを書いていると…

周回

新緑のころ、彼に話しかけた。彼は図書館で本を読んでいた。同じ授業で見かけたことがあり、話してみたいと思っていた矢先だった。連絡先を交換した。CDを借りた。二人でビリヤードに行った。ビリヤードの前に何を食べたか、どうしても思い出せない。彼に恋…

必要なものが残る

パンデミックを経て、ある友人とは公園で会うようになった。お昼前に落ち合い、食事をしながら話して別れていたが、お店はいろいろと制約があるから行かなくていいのでは、と意見が合った。朝一で集合して、お昼前には帰る。暑かったり寒かったり雨だったり…

調和

夏が暑さによって洗濯物を乾かすなら、秋のそれは風なのだろう。ベランダから見える川沿いの木々が、葉を落とし始めている。これから少しずつ葉が離れていく。離れた葉を掃く。通りかかった人と挨拶を交わす。夏は青々とした葉を広げて家への日差しを防いで…

くるおしい朝

学生のころ、試験の前に、たまに徹夜などをしていたものだ。夏か冬かは忘れたけれど、一人暮らしの古いマンションで一人、その日も私は徹夜の覚悟であった。深夜二時、そろそろ集中力も切れてきて、もう寝たいけれど、まだ課題が終わらなくて、寝たら単位を…

表出

自分の顔を見れば、自分の調子は、だいたいわかる。良いときは、目に意思があり、肌も滑らかで、口角は上を向いている。そうでないときは、目の力は弱く、肌はくすみがちで、あらゆるパーツが重力に従順である。朝、身支度するときに顔を見て、ああ、疲れて…

素直さが生み出すもの

ある人に、お礼を言う機会があった。立ち話で時間がなかったのもあるけれど、上手くしゃべろうとか、相手に喜んでもらおうなんて考えず、思いのままに発した言葉が、驚くほど鮮明に耳に入ってきた。伝えたのはこちらの方なのに、自分が素直で無心だったから…

内在

使える余地と好みが合えば、誰かの使っていたものを買うことがある。CD、書籍、家すらも。先日、スピッツのアルバム「三日月ロック」を購入した。中古品だ。帯はなかったけれど、折り目のないブックレットにアルバムを引っさげての当時のツアーパンフレット…

幸せについて

「何かに集中しているときは幸せだ。何も考えなくていいから。」ある少年が呟いていた。あなた、まだ十年も生きていないよね。でも、その気持ちを持ち続けてほしい。”幸せ”とは、誰もの関心事だけれど、口に出すと廃れていく気がして人と話すことが少ない。…