冬でもないのに
無性に"おでん"が食べたくなり、
夕食につくった。
これまで、
おでんとはあまり縁がなかった。
ほとんどつくったこともないし、
コンビニのレジ横で売っているものを
買ったこともないし、
うどん屋さんや居酒屋などで頼んだこともない。
おでんの具は何が好きかについて
話したこともほぼない。
なぜ突然食べたくなったのかわからないが、
人間の体は今足りていない栄養素を
自然に欲するということを
どこかで聞いたことがあるので、
私にはおでんに含まれる何かが
足りなかったのだとなんとなく思っている。
おでんをあまりつくったことがないので、
とりあえずスーパーで、
温めるだけのおでんセットを買ってきた。
具は、大根、こんにゃく、卵、
ちくわ、ごぼう天、昆布。
それだけでは足りないだろうから、
大根とこんにゃくを追加した。
じっくり煮込んで食べたところ、
これがとてもおいしい。
特に、味のしみ込んだ大根がよかった。
今度は一からつくってみようと、
次の日またスーパーに買い出しに行った。
おでんセットは買わずに、
だいたい同じような具材をそろえ、
またじっくり煮込んだ。
間違いなくおいしかった。
おでんってこんなにおいしかったっけ。
年を重ねて味覚が変わったのだろうか。
週一回はカレー（楽だから）を
つくっているが、
おでんも同じようにつくってしまいそうだ。
おでんのおいしさに気づいた、
少し肌寒い春の日だった。
