語る、また語る

いつもにプラスα

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それらしくなく発する

それらしいことを言うまで引き下がらない相手の粘りを感じつつ、自分も気づけば便乗する。それらしいことを言えば体裁はよいのかもしれないが、あくまでもそれらしいだけである。むしろそれらしいことだけ言えていればよかったのかもしれなかった。

それらしいことではなくて、自分だけの何かを発したいと思っていても、出たものを見るとまったくそれらしかったりもする。相手にとってのそれらしいことを言うよりも、相手にとってのそれらしいという縛りも何もかもなくして感じたことを言う機会というのは、年とともに減っていくのだろうか。

たとえば物語には主題というのがあって、おそらく主題に絡めて読んだ感想を述べると一見それらしく見えたりもするが、主題でもない登場人物の小さな行動や、何を象徴しているかでもないような風景描写にいたく気持ちが惹かれることもある。主題は別にあるというような横槍は、こちらの都合で気がしてならない。だから重箱の隅をつつくようなことであっても、それについて発することはその人にとっては価値があると私は思う。