語る、また語る

話したいことを書いています。

読書

一人の日々から感じられる、ほのかなぬくもり

1995年、今から27年前の本だった。長いこと、書庫に保管されていたのだろう。本を開くと、古い紙のにおいがした。いやな感じはしなかったから、わたしは思わず鼻を本に近づけて、においを嗅いだ。図書館で、稲葉真弓さんの本をいくつか借りてきた。一人の女…

本のなかに自分がいた

朝倉かすみ さんは、小説を書き始めたのが31歳で、デビューが43歳だという。10代のうちに彗星のごとく現れる作家さんとはまた違うが、歳を重ねているからこその安定感のようなものがあると感じる。けっこう現実味をもって、ストーリーが迫ってくる。でもそれ…

読む本はどうやって選びますか?

本を選ぶのに時間がかかる。むしろ、読むよりも選ぶことに情熱を注いでいるかのように思えてくる。これといってよく読む作家さんがいないということもあるのだろう。本屋さんに行き、タイトルに惹かれて手に取り、帯の紹介文や推薦文を読んでも、まずそこで…

いい人にならなくていっか

私は、いい人でありたいと思うあまり、怒りや哀しみを感じても、笑おうとしてしまうところがあった。いつも笑っている人が、いい人なのかと言われると、何か違う気もするが、外面は努めてそのようにふるまっていた。だから、人あたりがいいと言われたことも…

役に立つとか立たないじゃなくて、自分を認める

自分の中でなんとなく思っていたけれど、上手く言葉にできなかったことが、本に書かれていた。読んだのは、稲垣えみ子さんの「寂しい生活」。(内容に触れています。)タイトルから、暗い本なのではないかと思うかもしれないが、とても前向きな本である。著…

切なさの正体

この切なさは何だろうと、しばらく考えていた。益田ミリさんのエッセイ集「そう書いてあった」を読んだ。印象に残ったエピソードが二つあった。まずは、黄色いワーゲンについて。著者が小学生のときのルールで、一日に黄色いワーゲンを三台見られれば、良い…